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散歩楽しかったよ

 アトムはあまり私たちをぺろぺろ舐めるようなことをしませんでした。だから何時までも顔を舐め続けるラブの話を聞くと「へーっ、色んな犬がいるんだな」と感心したり、ちょっと羨ましく思っていました。

 しかし、2歳半を過ぎた頃からでしょうか、朝の散歩を終え風呂場で足を洗った後に水を飲ませると、水を飲み終わり満足するころに私の口の周りをペロペロ舐め始めるようになりました。

 最初のうちは驚いたのと、何かの気の迷いか?位にしか受け止めていませんでしたが、それから毎日水を飲みながら私の口の周りをペロペロ舐めるようになりました。

 なんだか散歩が楽しくて、その後冷たい水を飲んで満足して「散歩楽しかったよ、ありがとう」って言ってるように思えます。

 2歳半を過ぎた頃から始まったので、精神的にも大人になり、私との関係も十分理解できた後の行動なので、私は本当にうれしかったです。

 でもこの行動は私だけにしかしません。カミさんにこの話をしたら「いいなぁーっ、私にはしてくれない、ずるい」と言われました。
 ある日散歩の後足を洗っていたらカミさんが風呂場に来て、「さぁ、新婚さんのベタベタをみせてっ」と後で傷つくの分かっているのに見に来ました。水を飲ませていたらアトムはいつものようにちょっと水を飲んで私の口をペロペロ舐め、又ちょっと水を飲んで私の口を舐めました。
 カミさんは本当に羨ましそうに「いいなぁーっ、私もしてもらいたい」と言ってましたっけ。でもカミさんが居るとアトムはこんな動作をした後は必ずカミさんのほうを見るそうです。「どう、僕のほうが愛されてるよ」ってカミさんに言っている様だって、カミさんは「又女の目で私を見た」って怒るんですけど。

 もし私がカミさんの立場だったらアトムを蹴り飛ばしているかも知れない。一番アトムと接している時間が長い上に、ベタベタに可愛くってしょうがないのに、カミさん良く我慢できる、偉い。


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